歩行の効能10選
歩くことが体に良い理由—専門的な観点から
歩行は、最も自然でシンプルな運動であり、私たちの体に数多くの健康効果をもたらします。ここでは、歩行が身体に与える10の効能を深掘りし、実際にどのように体が変化するかを説明します。どれか一つでも気になる効果があれば、ぜひ積極的に歩くことを実践してみてください。
1・ 歩行は骨盤のゆがみを治します。
歩行によって骨盤が自然と整う理由は、歩行時の体の荷重のかかり方にあります。特に、1日43分以上の連続した歩行を行うと、骨盤の歪みが修復されやすくなります。これは歩行によって股関節や膝、腰に適切な荷重がかかり、骨盤を支える筋肉がバランスよく使われるためです。
例として、腰痛や骨盤の歪みを感じている方に、定期的なウォーキングを勧めることで、筋肉のバランスが整い、歪みが改善するケースがあります。歩行を続けることで、特に骨盤が「開き気味」の方には骨盤が締まる効果が期待でき、腰痛や股関節の違和感が軽減することもあります。
開きタイプの歪みの方も歩行にをすることで骨盤が締まる働きをします
2・ 歩くと膝などの関節を丈夫にし、変形を防ぎます。
関節に負担をかけずに適切に歩行することで、膝や股関節の健康を維持することができます。骨は、体重をかけることでカルシウムが沈着し、強化されます。歩行はそのプロセスを助け、関節を丈夫に保つ役割を果たします。
特に膝や股関節は、加齢とともに関節炎や変形が進行しやすい部位です。しかし、正しい歩き方で歩行を行うことで、関節の負担が軽減され、変形の予防が可能です。例えば、日常的に膝に違和感を感じる方に歩行を勧めると、関節に適切に体重をかけることで症状が和らぐことがあります。
膝、股関節の治療には正しい歩行をして関節に適切に荷重を乗せることがとても大事です。
3. 歩くと血圧が安定します。
歩行には心臓と血管に良い影響を与える効果があります。歩行の際にふくらはぎの筋肉が収縮することで、血液が上半身に送られ、血液循環が促進されます。特に、ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれており、歩行によって心臓への負担が軽減され、血圧が安定します。
高血圧の人にとって、毎日の歩行は血圧を下げる手助けとなります。低血圧の方も、歩くことで徐々に適正値に近づきます。例えば、高血圧で薬を服用している方が歩行を日課にすることで、薬の量を減らすことができたケースもあります。
4. 歩くと内臓の働きを助けます。
歩行による血流の促進は、内臓機能を向上させます。特に、腎臓や泌尿器系の働きが活発になり、尿の排出や便秘の解消に役立ちます。また、歩行中の前方への動きが膀胱のポンプ作用を促進し、歩行後に尿がよく出るようになる効果もあります。
便秘に悩む方が歩行を行うと、腸が活発に動き、便秘の症状が改善されることがあります。特に、朝のウォーキングが便通を良くすることが多いです。
5. 歩くとダイエットになります。
歩行は有酸素運動であり、43分以上続けることで脂肪が燃焼します。さらに、歩行後も新陳代謝が活発になり、脂肪が燃えやすい状態が続きます。これにより、ダイエット効果を高めることができます。
例えば、体重管理をしている方が日常的にウォーキングを行うと、脂肪燃焼が促進され、体脂肪率が減少することがあります。また、足の筋肉を使うことで引き締め効果も期待できます。また足の引き締め効果も出ます。
6. 発育、姿勢に深く影響します
歩行は、足裏のアーチや背骨のカーブに深く関係しています。特に成長期の子供にとって、正しい歩行は発育に大きな影響を与えます。歩行不足が続くと、足裏アーチや背骨のカーブが減少し、姿勢の悪化や歩行の乱れを引き起こすことがあります。
例えば、小学生の子供がよく転んだり、姿勢が悪い場合、歩行を意識的に行わせることで、足の裏のアーチが形成され、姿勢が改善されることが期待できます。
7. 歩くと頭の働きが良くなります。
歩行は脳脊髄液の流れを促進し、頭をすっきりさせる効果があります。歩行中に足裏に伝わる刺激が脳幹網様体を刺激し、意識を覚醒させるため、思考が整理されやすくなります。難しい課題に直面した時に歩きながら考えることで、アイデアがまとまりやすくなります。
歴史的な人物がよく歩いていたことも、彼らが創造的であった理由の一つかもしれません。実際に歩行中にひらめくことが多いという話をよく耳にします。
8. 歩くと精神が安定します。
最近の研究で、歩行がリズムよく行われることで、脳内にセロトニンというホルモンが分泌され、精神的な安定を促進することがわかってきました。セロトニンは、うつ症状や不安感を和らげる効果があります。歩行が精神的健康に寄与することが実証されています。
例えば、ストレスが溜まっていると感じたときに、軽く散歩をするだけで気分が楽になることがあります。ウォーキングは心のリセットにも効果的です。
9. 顎や首の歪みが修復されます
歩行は骨盤だけでなく、上部の首や顎の歪みも整える効果があります。歩行により骨盤が整うと、上半身の歪みが改善され、顎や首の痛みが軽減されます。実際に、歩行を習慣にしている方は、頭痛や顎関節症の症状が改善することが多いです。
特に、首や顎に負担がかかっている方にとっては、歩行が有効な治療法となる場合があります。
10. 歩くと姿勢がよくなります。
歩行は姿勢を維持するために必要な筋肉を鍛える効果があります。歩くことで、背筋や腹筋が自然に鍛えられ、姿勢が改善されます。日常的にしっかり歩けている方は、年齢を重ねても姿勢が良く、腰が丸くならないことが多いです。
きちんとした歩き方意識しながら歩くことで、歩行距離だけでなく姿勢も改善され、長期的には骨格や筋肉の健康に良い影響を与えます。
歩行は、全身の健康を整えるための最も自然で効果的な方法です。これほど多くの健康効果を得られる運動は他にありません。心身の健康を保つために、ぜひ日常的に歩行を取り入れて、自然治癒力を高めましょう。
歩くことで、心も身体も元気に!
<参考文献>
歩くとなぜ良いのか
歩行の脳
季刊構造医学
究極の歩き方